プレミアム会員限定

特異な才能持つ子…「ギフテッド」の支援進む 発達障害の傾向 適切な指導の在り方模索【いま、学校は】

熊本日日新聞 2023年9月21日 06:05
フランス人哲学者モンテーニュの著書「エセー」を読む中学3年の男子生徒
フランス人哲学者モンテーニュの著書「エセー」を読む中学3年の男子生徒

 特異な才能を持つ子ども「ギフテッド」。贈り物を意味する「ギフト」が語源で、天から与えられた資質を意味する。一方で強いこだわりがあったり、集団行動が苦手だったりするなど、発達障害の傾向があることが少なくなく、不登校になるケースも。適切な教育環境を整備するため、国や一部の学校では支援策の検討を進めている。

 熊本市内に住む小学5年の男児は休日、「スター・ウォーズ」「ミッション・インポッシブル」などの映画をひたすら鑑賞する。ほとんどが大人向けだが、見始めたのは2年ほど前から。作品の粗筋だけでなく細部のシーンまで記憶。見終わった後は、父親と物語の伏線などについて語り合うことが何よりの楽しみだ。

 男児は1年生のころ、学校に通う度に吐き気に襲われていた。黒板の内容を正確に書き写すことや、いすにずっと座っていることが苦手。書写の宿題では、先生の添削を気にして、1ページ書き終えるのに2、3時間かかることも珍しくなかった。

 心配した母親(49)が、スクールカウンセラーに相談。知能検査を受けたところ、言語理解の知能指数(IQ)が130ほどあり、そこで母親はギフテッドという言葉を初めて知った。「息子が一体何に困っているのか分からず、私自身も疲弊していた。学校に『うちの子は他の子に合わせないでほしい』とはっきり言えたら良かったのかもしれない」と振り返る。2年時から熊本市内のフリースクールに通い始め、体調を崩すこともなくなった。

この記事は「プレミアム会員(熊日定期購読の方)」限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。

残り 908字(全文 1527字)

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
熊本の教育・子育て