もう一度、風切る快感を 12年ぶりの全力疾走【電子版限定 ありさ記者の走リスタート①】
8月、彼女の走りに目を奪われた。高校日本一を決める全国高校総体(インターハイ)陸上女子100メートルで、熊本県勢として11年ぶりに頂点に立った山形愛羽さん(熊本中央高)。一歩一歩力強く、風のように軽々と周りの選手を抜き去っていた。そんな走りに記者もかつては憧れた。2012年のインターハイ女王、野林祐実さん(当時九州学院高)は学年が一つ上。その背中を追いかけた時期があった。
中学生の時、陸上部に所属、短距離種目を専門とした。2年の時、熊本市中学校総合体育大会女子100メートルで優勝した。当時の自己ベストは13秒1。当時、所属したクラブに野林さんもいた。同じレースで走ることはかなわなかったが、練習で力強く走る姿に何度も目を奪われた。
高校では陸上から離れた。走るのが嫌いになったわけではない。どんなに練習しても12秒台には届かず「もういいかな」との思いが募った。あれから12年…。山形さんの楽しそうに走る姿に刺激を受け、もう一度、走る快感を味わいたくなった。
実家の靴箱の奥に捨てられず、しまっていた陸上シューズを握り締めた。向かった先は、中学時代に何度も走った熊本市の水前寺競技場だ。27歳になった今は近くのコンビニに行くにも車。体をろくに動かしていない不安と、久しぶりに全力疾走するワクワク感が交錯した。
中学時代を思い出しながら準備運動して、スターティングブロックをセット。100メートル先を見つめて思ったのは「100メートルってこんなに長かったっけ?」。手動で計測したタイムは100メートル16秒68。後半20メートルはかなりバテてしまった。でも、風を切って走る感覚は心地良かった。「中学時代より3・5秒もタイムが落ちたのか…」。久しぶりに闘争心に火が付いた。
速く走りたい-。誰もが一度は抱く願いだと思う。もう一度、走りを学び直そう! スプリンターとしてのリスタート(再出発)。目標は15秒台前半。読者の方にも走る楽しさと、速くなるコツを伝えていきたい。(東有咲)
ひがし・ありさ 記者4年目の27歳。熊本市出身。小学校は水泳部に所属し、中学から本格的に陸上競技を始め、2年の時に出場した県総合体育大会(総体)女子100メートル6位。3年の市総体は同種目4位、県総体5位。高校は「小学生の時から興味があり、お花が好きだった」と華道部に。大学はサークルでフリーペーパーを発行した。現在、デジタル編集部で「SNSこちら編集局」などを担当。身長165センチ。アイドルには男女問わず目がない。今の〝推し〟は、女性グループのFRUITS ZIPPER(フルーツジッパー)。
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