世界初、地震前後の「ずれ」展示 熊本地震前後の布田川断層、標本に 熊本県防災センター
2016年の熊本地震を引き起こした布田川断層の標本の展示が28日、熊本県庁の防災センターで始まった。従来から展示されていた発災前の同一地点の標本と比べると、約50センチずれており、揺れの激しさを実感できる。地震前後の断層の標本が並ぶ展示は世界初という。
新たな標本(高さ2・4メートル、幅2・6メートル)は、東北大と熊本大の研究グループによる昨夏の断層調査の際、益城町福原の畑で地層の断面の土を剝ぎ取って作成。1996年にも県の活断層調査で標本を採取しており、地表付近の地層の境目が水平方向に50センチ前後動いた痕跡を確認できた。
県によると、地震前後の断層を比較してずれを確認したのは米国とニュージーランドに続いて3例目。標本が残っているのは熊本だけという。
調査に当たった熊本大の鳥井真之特任准教授(地質学)は「地下の断層の動きは建造物の設計などにとって重要なデータとなる。実際に掘削しての研究はまだ少なく、標本は大変貴重な資料だ」と説明した。
標本は防災センター1階の展示・学習室で、平日の午前9時~午後5時に無料公開する。(堀江利雅)
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