熊本県内市町村の介護保険料、平均50円減 24~26年度 基金取り崩しや介護予防で対応
熊本県は県内全45市町村が2024~26年度に賦課する65歳以上の介護保険料(基準月額)をまとめた。平均月額(加重平均)は6190円で、21~23年度と比べて50円減。余った保険料の基金積み立てや介護予防による給付費の抑制により、高森町や嘉島町など13市町村が引き下げた一方、20年7月の熊本豪雨による人口流出や要介護認定者数の増加の影響で、錦町や球磨村など16市町村が引き上げた。熊本市や人吉市など16市町村は据え置いた。
介護保険料は、各市町村が今後3年間のサービス利用料を見込んで決める。県平均の減額は21~23年度に続いて2期連続。基準月額が最も高かったのは球磨村の7500円、次いで美里町の7300円だった。最も低かったのは芦北町の4991円。
県認知症対策・地域ケア推進課は「当初の想定より介護給付費が抑えられた市町村では、余った保険料を基金に積み立てたことで保険料の減額につながった。ただ、将来的には高齢化率の上昇に伴い保険料の増額が見込まれる」とする。
引き下げ幅が最も大きかった高森町は2300円減の5千円。「高齢化率は上がっているが、要介護認定者数は減少傾向。住民が運動などを楽しむ町独自の介護予防の取り組みが効果を上げている」とみる。2番目に大きい700円を減額した嘉島町も5千円で「熊本地震後に住民の運動量減少などを見込んで基準額を増額したが、介護給付費が想定より早く地震前の水準に戻り、基金の取り崩しによる保険料の減額が可能になった」と説明する。
一方、錦町は1300円増の6900円で上げ幅が最大。「要介護認定者数が増えて給付費が増加した。他の市町村と比べて要介護認定3~5の方の割合が高いことも上昇の要因となっている」と分析した。次いで900円増の球磨村は「2020年7月の熊本豪雨の影響で、住民の村外への転出が進んだことが要因」としている。(横川千夏)
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