県内最古の玉東町庁舎、惜しまれお別れへ 築74年、旧木葉中校舎を再利用 新庁舎完成で解体間近 6月に回顧展も
熊本県内自治体で最も古い築74年の玉東町庁舎が、新庁舎の完成と役場機能の移転に伴い解体される。旧木葉中の校舎を再利用した庁舎で、かつての廊下に沿って各課が並び、教室の窓枠の跡も残る。別れを惜しみ、住民や町などがお別れ会や回顧展を計画している。
現庁舎は1950年に木葉中の校舎として完成。66年から旧玉東村が庁舎として利用している。少なくとも5回増築しており、床面積は約700平方メートル。老朽化で柱が傾き、耐震性の不足が判明した。ただ、町は分譲住宅建設といった移住・定住促進事業の優先や、建築資材の高騰などで建て替えを保留。新庁舎の着工は2023年にずれ込んだ。
「端から端まで見渡せる長い廊下が印象的だった」。現庁舎が中学校だった時代に生徒だった松本英毅さん(82)は当時を懐かしむ。松本さんはその後、役場職員となり、さらに36年間〝通学〟した。「窓口が横一列に並んでいたので、来庁者は各課の場所が分かりやすかったと思う」と振り返る。27日は木葉中の同窓生15人ほどが庁舎に集合。お別れ会を開き、思い出話に花を咲かせた。
町と町文化協会は6月1~10日、解体前の庁舎で建物の歴史を振り返る回顧展を開催する。町文化協会は「思い出の品や写真など展示品を提供してほしい」と呼びかけている。
新庁舎は、現庁舎北側の職員駐車場跡地周辺に建設され、鉄筋コンクリート造り3階建て。現庁舎が解体された後の土地は、駐車場として整備する。前田移津行町長は「駅周辺の開発や教育、福祉の充実を進め、今が適切な時期と判断した。庁舎移転後も、引き続き定住施策に力を入れたい」と話した。(岡本遼)
◇ ◇
回顧展の写真などの受け付けは5月中旬ごろまで。町文化協会☎0968(85)3609。
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