一流のビオラ奏者、熊響と初共演 元ウィーン・フィルのマリオ・カルヴァン氏 5月12日、県劇「感謝と喜び、音楽に乗せて」
熊本交響楽団(熊響)が12日に熊本市中央区の熊本県立劇場で開く第114回定期演奏会に、元ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のビオラ奏者、マリオ・カルヴァンが初出演する。マリオは4月に県劇であった練習会に参加し、団員たちに一流の技術や心構えを伝えた。
ウィーン出身のマリオは1984~2022年にウィーン・フィルに所属。深くて温かみのある音色と多彩な表現力に定評があり、同フィル引退後もソリストとして精力的に活動している。熊本地震後の17年に慰問演奏で訪れるなど、たびたび熊本で公演してきた。
以前から熊響メンバーと親交があり、22年の来熊時には練習にも参加。その後、マリオから「ぜひ一緒に演奏したい」との申し出があり、共演が実現した。
4月中旬、ビオラパートの練習に参加したマリオは、11人の奏者を前に身ぶり手ぶりを交えながら、「細かい動きの時ほど急がないで」「もっと良い指のポジションがあるので私のまねをしてみて」などとアドバイス。「熊響は強い情熱を持って難しい曲に挑戦しており、私の持っているアイデアを共有したい。演奏会では、温かく受け入れてくれた感謝の気持ちや喜びを音楽に乗せて表現したい」と笑顔を浮かべた。
指導を受けた辰野陽子は「音の一つ一つに思いが込められ、エネルギーとパワーを感じた。一流を肌で感じられるとても貴重で幸せな時間なので、いろんなことを学びたい」と話した。
今回はモーツァルト「バイオリンとビオラのための協奏交響曲」で、マリオは熊響コンサートマスターの黒葛原康子(バイオリン)とソリストを務める。当日はブルックナー「交響曲第7番」も演奏。午後4時開演。指定席2千円、自由席一般1500円、大学生以下千円。熊響☎090(4772)9090。(前田晃志)
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