水俣病患者団体と再懇談へ 伊藤環境相「反省に立って皆さまと対話したい」

熊本日日新聞 2024年5月9日 12:02
8日午後、水俣市の国立水俣病情報センターで、水俣病被害者・支援者連絡会の人たちの発言に耳を傾ける伊藤信太郎環境相(小野宏明)
8日午後、水俣市の国立水俣病情報センターで、水俣病被害者・支援者連絡会の人たちの発言に耳を傾ける伊藤信太郎環境相(小野宏明)

 水俣病犠牲者慰霊式後の伊藤信太郎環境相との懇談で、患者団体側の発言が環境省職員によって打ち切られた問題に関し、伊藤氏は9日の参院環境委員会で、再び懇談の場を設けると表明した。団体側が再設定を求めていた。

 伊藤氏は「私の職責で懇談の場を設置することを決断した。深い反省に立って皆さまと対話したい」と明言。具体的な時期や内容については、今後調整するとした。

 委員会では今回の環境省の対応を巡り、与野党から質問や指摘が相次いだ。立憲民主党の川田龍平氏(全国比例)が「今回の患者団体の怒りの原点はどこにあると考えるか」と聞いたのに対し、伊藤氏は「水俣病問題が公式確認から68年たっても全面解決していないことに原因がある」と答弁。任期中に解決するつもりがあるかについては「最大限努力する」と述べた。

 ただ、認定基準の厳しさから患者の切り捨てにつながっているとの批判がある公害健康被害補償法については「認定は法律に沿って判断するしかない。法律が足りないなら、立法府で作ってもらうしかない」と従来の見解を繰り返した。

 自民党の長谷川英晴氏(全国比例)は「人の心を受け止めて対応することが大事。今後、課題に真摯[しんし]に向き合ってほしい」と注文した。

 1日に水俣市であった懇談では、環境省職員が発言時間の3分を過ぎた団体側の発言を遮り、マイクを切った行為に対して批判が噴出。伊藤氏は8日に水俣市を訪れ、出席した患者団体などに謝罪した。(髙宗亮輔)

RECOMMEND

あなたにおすすめ
Recommend by Aritsugi Lab.

KUMANICHI レコメンドについて

「KUMANICHI レコメンド」は、熊本大学大学院の有次正義教授の研究室(以下、熊大有次研)が研究・開発中の記事推薦システムです。単語の類似性だけでなく、文脈の言葉の使われ方などから、より人間の思考に近いメカニズムのシステムを目指しています。

熊本日日新聞社はシステムの検証の場として熊日電子版を提供しています。本システムは研究中のため、関係のない記事が掲出されこともあります。あらかじめご了承ください。リンク先はすべて熊日電子版内のコンテンツです。

本システムは「匿名加工情報」を活用して開発されており、あなたの興味・関心を推測してコンテンツを提示しています。匿名加工情報は、氏名や住所などを削除し、ご本人が特定されないよう法令で定める基準に従い加工した情報です。詳しくは 「匿名加工情報の公表について」のページ をご覧ください。

閉じる
注目コンテンツ
水俣病