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学びの窓=軽度発達障害と不登校

 全国の不登校児童・生徒数は、2001(平成13)年度の約14万人をピークに減少の傾向にある。しかし、保健室登校、フリースクール登校などの教室外登校は不登校数に加算されないので、本当に減少しているか否かは明らかではない。

机とイスが並ぶだれも居ない中学校の教室
 不登校の契機や原因はさまざまであり、学校での問題、家庭での問題、本人の問題などが挙げられるが、複合化している場合もある。

 近年では、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、高機能自閉症やアスペルガー症候群などの「軽度発達障害」が広く知られるに伴い、不登校になる要因の一部にそのような疾患が基底にあることが報告されつつある。これらの疾患のいわゆる「二次的障害」として呼ばれる不登校の出現である。

 文部科学省が03年3月に出した「今後の不登校の対応の在り方について」の答申では、軽度発達障害と不登校との関係も触れており、不登校の対応の取り組みをする上で留意する対象となっている。また、04年末に成立した「発達障害支援法」では、これらの疾患には小児期早期からの発見、発達支援や理解を強調している。

 私も不登校になっている軽度発達障害の児童・生徒に数多く出会ったことがある。

 ADHDの小学3年生は、落ち着きがなく、多動であり、同じクラスの友人をなぐったりしていた。ところが、逆にクラスの他の子どもたちからいじめられて関係性が悪くなり、二次的に不登校となっていた。また、この児童の保護者は、落ち着きなさと多動を抑えようとして、小児期から「しつけ」と称してなぐって育てていた。子どもは反発的になって、学校へ行きたがらなかった。

 この児童の例では、いわば必然的に生じた「児童虐待」がさらに不登校を複雑化させていた。

 また、あるLDの小学5年生は、学習につまずきがあり、勉強が嫌になり不登校となっていた。高機能自閉症の中学2年生は、友だちとのコミュニケーションが十分に取れずに孤立してしまい不登校になった。

 今後は、これらの子どもたちの個性や障害を保護者も教師も社会も理解して、個に応じた細やかな支援をすれば、不登校などの「二次的障害」も減少していくだろう。そのためには、これまで以上に教育や福祉や医療の強い連携が必要となってくる。(精神科医、熊本大教育学部障害児病理学教授)

 ◇おがた・あきら 1952年生まれ。熊本市出身。熊本大医学部卒。熊本大付属病院精神科外来医長などを経て現職。

 (熊本日日新聞2005年5月26日付朝刊くらし面「学びの窓」)

 
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