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| 受動喫煙防止 地域ぐるみで取り組み |
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| 「地域ぐるみで取り組む禁煙活動」をテーマに開かれた日本禁煙学会の学術総会。写真は禁煙治療で世界的権威とされる米メーヨークリニック医科大ニコチン依存症センターのリチャード・ハート教授の講演風景=9日、広島市の広島国際会議場 |
禁煙を推進する医師らでつくる日本禁煙学会の総会が九日から二日間、広島市で開かれ、受動喫煙防止を申し合わせたWHO(世界保健機関)の「たばこ規制枠組み条約」(FCTC)の遵守[じゅんしゅ]を確認した。
日本ではFCTCが発効した二〇〇五年の四月に健康増進法が施行、公共施設などでのたばこ規制が始まった。FCTCを締約した日本など百二十六カ国は昨夏、たばこの煙から非喫煙者の健康を守るため、「屋内の職場」「公共輸送機関」「屋内の公共の場」などで、受動喫煙を防ぐ国内法の制定を満場一致で採択した。
■世界的潮流
「日本の現状は、今なお四十四万台のたばこ自販機が路上に置かれている。欧米ではドイツを除き自販機は路上に置かれていない。タスポ(成人識別カード)の導入は、自販機での購入者がコンビニに流れただけ。しかも導入の代わりに自販機の夜間販売の自粛が撤廃された」。同学会理事長の作田学杏林大医学部客員教授(神経内科)は理事長講演で、進まない禁煙対策にいら立ちを隠さず、「一〇年二月まで残り一年半。この調子で受動喫煙防止法ができるか心配」と述べた。
同学会は〇五年二月設立の特定非営利活動法人(NPO)。会員は全国の医師や看護師ら千六百六十人。“闘う禁煙派集団”を自認し、世界的な潮流を念頭に、地域に根差した禁煙運動を進める。大会テーマも「地域ぐるみで取り組む禁煙活動」だった。
「国が受動喫煙防止法を作らないなら、大分市から全国に広がったタクシー禁煙条例のような条例を、全国の自治体に作ってもらうのも方法の一つ」と作田理事長。神奈川県が九月定例議会に提案を考えている『公共的施設における禁煙条約(仮称)』を全面支援する。
■神社に喫煙所
地域ぐるみの取り組み事例では、とげぬき地蔵尊・高岩寺(東京都豊島区)の住職で日本医科大病院に勤める来馬明規医師の発表が笑いを誘った。
高岩寺大本山の高僧の葬儀で僧侶たちが席を外し、大本山の分煙所で喫煙する画像を示しながら、「寺や神社など宗教施設は大勢の人が集まる公共的施設だが、盲点になっている」と指摘、宗教施設の禁煙を呼び掛けた。
さらに浜松市の加藤一晴医師は、千三百年の歴史がある神社の境内に、「文化財保護」ではなく「健康保護」の観点から喫煙所を設置したと報告。例年十月に開かれる大祭を“分煙祭典”から“禁煙祭典”にする意気込みを披露し、「自治会や氏子総代など地域の賛同が得られ、ここまでこれた」と述べた。
大会二日目は、学会会場を含む平和祈念公園全域を試行的に禁煙区域にした秋葉忠利市長が参加し、「禁煙の抵抗勢力は政治家、労組幹部、ジャーナリスト」と断言。公的保険適用で禁煙治療が可能な医療機関の広報誌掲載や、市庁舎・区役所の九月からの全面禁煙といった取り組みを紹介し、「未来の世代のため、たばこは核廃絶と同じ方向に進むべき」と強調した。(南里秀之)
(熊本日日新聞2008年8月19日付夕刊メディカル)
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