思い、個性…アートに昇華 入賞・入選111点の作品展
26日~12月7日、県立美術館本館
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| ●審査員評 時空超えた不思議さ 建畠 晢氏 国立国際美術館長 全国規模の公募展だが、熊本と近隣からの作品の水準が高く、全体のレベルを引き上げた。近年は時代状況を反映する傾向に縛られず、個性豊かで多極化する方向にある。特にグランプリは感覚的な不思議さが際立った。時空を超えたフィールドへ我々を救済してくれる実にユニークな作品。県賞の立体は、数学的でメカニカルな美しさと同時に、生命感のある有機的空間を生んだ。技術も伴って完成度が高い。 フレッシュな感性を 柳澤紀子氏 版画家 九州での審査は初めてで、海に囲まれた風土がもたらす開かれたパワーを感じた。ただ、形式化した作品が多かったのが残念。フレッシュな感性が欲しい。その中で、グランプリは自分の感動を描こうという絵画の原点が感じられた。準グランプリは層を重ねる版画の特性を生かし、下層のオレンジや銀色を効果的にのぞかせている。立体では、空間の広がりをうまく表現した県賞を評価したい。 意外性に衝撃 平松礼二氏 日本画家 初めての審査だが、平面、立体とも構想力と技術力の高い水準に驚いた。その中で、グランプリは意外性に衝撃を受けた。公募展では色で個性を主張しがちだが、白を基調に色をしぼり込み、うまく使いこなしている。準グランプリは日本画や洋画にも負けない表現力。日本画では県文化協会賞がモダンな水墨画の趣で目を引いた。立体は熊本市賞の彫刻が出色。作者の若いエネルギーを感じた。 悩んだ痕跡魅力に 古家良一氏 県立美術館学芸課長 自らの表現をどう情報化するか、苦心の跡がうかがえた。グランプリは白を見事に使いこなし、対話したいと思わせる。男性にはない感性を感じる。立体は、現代性を持たせようとする姿勢が生んだ「硬さ」が逆にほほ笑ましかった。コンピューターを利用するのも現代美術の一表現だが、手描きの良さもある。書くことで生じる摩擦や内面の葛藤(かっとう)を感じてほしい。悩んだ痕跡が見える作品は魅力がある。 |
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熊本日日新聞 2008年11月21日朝刊掲載 |
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