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ビエンナーレ

光、人、現代…アートで挑む

入賞
 
グランプリ・熊日賞
「展望188 明日への架け橋2010」
平面(油彩、130×194センチ)
伊庭広人(42)=滋賀県近江八幡市
 
準グランプリ
「大地~阿蘇~」
立体(FRP・セメント、98×82×157センチ)
森田一成(25)=熊本市
熊本県賞
「荒草の詩“田圃道にて”」
平面(油彩、169×200センチ)
木寺渡(54)=宇城市
 
熊本市賞
「無言の叫び」
立体(鉄、140×166×170センチ)
福島晃(72)=八代市
県文化協会賞
「風景Ⅱ」
平面(アクリル、134×198センチ)
中島愼一(59)=滋賀県東近江市
 
熊本放送賞
「あなただけが夢の使者に呼ばれる朝が来る」
平面(版画・デジタルプリント、110×139センチ)
鈴木朝潮(53)=横浜市
熊本ロータリークラブ賞
「型」
平面(ペン・インク、77×108センチ)
松村亘(63)=熊本市
 
奨励賞
「UntitledⅠ」
平面(油彩、195×164センチ)
三宅伸英(25)=熊本市
奨励賞
「鉄の太陽」
立体(鉄、153×160×160センチ)
藤本高廣(52)=大津町
 
奨励賞
「息づく」
平面(油彩、164×135センチ)
石田澄男(58)=熊本市
奨励賞
「天主堂のある港」
平面(油彩、135×198センチ)
井島秀夫(60)=熊本市
 
奨励賞
「託す」
平面(油彩、132×164センチ)
大森キミ子(66)=熊本市
総評 世田谷美術館長 酒井忠康さん
もっと冒険、大胆な試みを

 グランプリは現代の閉塞した社会状況に、何か明るいきっかけを求めているようで、変化の兆しを感じさせる。絵作りの上でも高い水準にある。準グランプリは、人間への信頼感を強く意識させる作品だ。今、彫刻が全体的に機械的、建築的要素の強い方向に向かう中、人間存在を問い掛ける彫刻は衰退してきている。今後大いに頑張ってほしい。

 今回は出品数が多く選考には苦労した。水準の高い作品も多かった。だが、時代を風刺したり、人間の内的世界を探求したりといった点で少し物足りなかったように思う。もうちょっと思い切った冒険や大胆な試みがほしかった。いかに描くかに集中し過ぎるより、その先に何を見るか、立ち返る必要もある。
●審査員評

具象作品に力作目立つ 国立国際美術館長 建畠晢さん

 ファイナルとあって、応募作品も増え、意欲的な挑戦が多かった。特に絵画では、今の潮流でもある具象作品に力作が集中していた。個性的かつ方向性もさまざまで、自分自身の世界を探求している完成度が高い作品が目立った。グランプリ作品は、シンボリックな性格と精神性の深さを感じさせ、グランプリにふさわしい作品だった。準グランプリ作品は、堂々たる大地と渡り合う慈母のようなものを感じさせ、力のある作家だと感じた。


完成度高いグランプリ 洋画家 大津英敏さん

 立体は内容が充実していた。平面はさまざまな技術を駆使して、よく描写しているものが目立った。グランプリは細かい光と影を追求し、幻想的な雰囲気で完成度が高い。光の奥にどんな世界が広がっているのか、鑑賞する側の想像力をかき立て、絵を楽しむ余地を与える。準グランプリは豊かな量感で、作品の持つインパクトが魅力的。全般的には、社会性や個人の思いをより反映させることが作者の存在感を示すことにつながると思う。


絵画の力強さ印象的 版画家 山本容子さん

 上位2作は、ともに計り知れないほどの大きな空間を感じた。グランプリは洞くつの中でいろんな音が響き渡る宇宙のような世界。準グランプリは、眼前に広がる阿蘇の山並みを思い起こさせる。一方、ロータリークラブ賞は手描きの線を細かく何度も描いており、制作に投じた途方もない時間の積み重ねや作家の粘り強さに引き付けられた。初めての審査だが絵画の力強さが印象的だった。今後も発表の場を設ける努力をしてはどうか。


県外応募に新鮮な息吹 県立美術館学芸課長 古家良一さん

 全体的に、予想より革新的な作品は少なかったが、県外からの応募作には新鮮な息吹を感じた。また、熊本の自然風土に目を向けた作品が多く集まったのは良かった。グランプリはヨーロッパ中近世の伝統的な明暗法をうまく現代絵画に盛り込み、ドラマチックな仕上がり。余計な物を描かず、説明的にならなかった点も評価したい。準グランプリは視覚的な重量感があり、どこに噴出するか分からない秘めたエネルギーを感じさせる。

 
熊本日日新聞 2010年12月7日朝刊掲載



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