時代見つめ伝える思い 9~14日、県立美術館分館で作品展
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ●審査員評 グランプリ、力強く新鮮 クリエーティブディレクター永井一史さん 一つの傾向に偏らず、バラエティーに富んだ作品が集まり、面白く審査できた。中でもグランプリは現代的で力強く、第一印象からずばぬけていた。今の若者の鬱屈[うっくつ]した内面をうまく表現している。「草食系」と言われるようなサラッとした表現ではなく、違う方向で描いていたのが新鮮に感じた。 ビジュアルアート1席は、高校生とは思えない成熟したイラストレーション。個人的にはビジュアルアート2席の変なイラストも何か心に引っ掛かり、気持ちを動かされた。 ポスターは全体的に不用意な文字の入れ方が気になった。文字はコミュニケーションの重要な要素。もっと計算し、精度を上げる必要がある。(談) もっと課題ポスターを グラフィックデザイナー松木良介さん グランプリ作品には相当なインパクトがある。光のデフォルメによる不思議でレトロな陰影が魅力的だ。 城をうんとデフォルメした課題ポスター部門1席は造形力のある作品。自由ポスター部門1席は空間処理がいい。コピーの改行、ロゴなど隅々まで手を抜いていない。ビジュアルアート1席は材料の並べ方や大きさ、バランスなど工夫されておりセンスがある。色を抑制したことによって空気感も出ている。 今回の審査で特に残念に思ったのは、課題ポスター部門の応募が少なかったこと。課題に向かい、衝撃的で共感できる解答を作ることが、社会に出てからのデザイナーの職責であり職能だ。課題をもっと頑張り、出品してほしい。(談) 印象に残る作品描いて グラフィックデザイナー松永壮さん 全体を見渡したときに、まずグランプリ受賞作に目が行った。これまでの熊日デザイン賞にない作風で「なんやこらっ」という感じ。陰影の付け方や顔の表情で不安定な今の時代を反映させつつ、暗いだけじゃないエネルギーがあった。 ポスター自由題1席はオリジナルの文字をロゴ的に使っていて、さりげない工夫が感じられた。グラデーションが美しく、全体のバランスも抜群だった。 全体的なレベル、傾向は例年と変わらなかったが、出品数が少なかったのが残念。ビジュアルアート部門で高校生が1席を獲得したように、若くても勢いで食い込める。上手、きれいより印象に残る作品を目指してたくさん描いてほしい。(談) 世の中しっかり見て 崇城大芸術学部准教授岩上孝二さん 中学生はデザインを感覚だけでとらえているか、何かを伝えようという意識があるかが、作品によってはっきり分かれた。上位には深い思考が感じられ、中でも1席は雑音を音楽のようにとらえた発想が秀逸。細部もよく描き込み、ビジュアルとして楽しい。 高校生はさすがに卓越した作品が多く、構成力や色彩、インパクトを総合的に評価した。1席はユーモアで笑いを誘う。ユーモアは時代を読む力の表れで、デザインの重要なポイント。世の中をしっかり見て、思いを深く描き込み、表現に反映させることを心がけてもらいたい。(談) |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
熊本日日新聞 2009年6月2日朝刊掲載 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アクセスランキング
![]()



















