<入賞作品>
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| ●審査員評 自分に課題出し、表現を アートディレクター・服部一成さん 熊日デザイン賞の審査は初めてだが、個人の思いをどうにか伝えようとする作品が多く、新鮮さを感じた。 グランプリは微妙なブルーのトーンがきれい。平面と3次元的表現がうまく融合しているが、そういう技術よりも叙情性が前面に出ているのが良い。自由題ポスター1席は既成の文法にとらわれず、アイデンティティーというテーマを表現しようとした意欲を買った。今までにないデザインを作ってやろうという態度は重要だ。 デザインの仕事は課題をどうとらえ、答えを出すかが問われる。自由題出品が少なかったが、自分に課題を出して解決するということをぜひやってほしい。デザインを志す者としての踏ん張りどころだ。(談) もっと冒険して暴れて グラフィックデザイナー・松木良介さん 全体的にレベルアップしている半面、ずば抜けた作品がないという印象だったが、結果的に力のある作品が選ばれた。グランプリは絞り込む中で光ってきた作品。タッチがざっくりして荒々しいが、それが逆に優しさや情感を生み出している。配色も品が良く、平面と立体を組み合わせて不思議な空間と新鮮さを作り上げている。 同じビジュアルアート部門の1席作品も配色が大胆でダイナミックだったが、新鮮さという点でグランプリに及ばなかった。ポスター課題・自由題部門1席の2作品にも、デザインや色づかいで新鮮さを感じた。グラフィックデザインの王道であるポスター自由題の出品が減っていることは残念。もっと冒険して暴れてほしい。(談) 熱気伝える作品描いて グラフィックデザイナー・岩上孝二さん 上位作品にはあまり差がなく、持っている熱気で感じるものが違ってくる。完成度が高く、すきのない作品がそろうと、可能性や内に秘めた魅力が選考のポイントになる。グランプリ作品はそういう点で純粋な感性と情感を感じさせ、計り知れない魅力になっている。 ビジュアルアート1席は、独特の空間表現でインパクトもあるが、もうひとつ奥にあるものを見せてほしかった。課題ポスター部門1席は熊本らしさをシンプルに表現し、造形がユーモラスで気持ちが和む。自由題ポスターの1席は新しい感性で好感が持てる。デザインは生きもの。うまくまとめようとせず、時代を切り取って熱気を伝える作品を描いてほしい。(談) 良いものたくさん見て グラフィックデザイナー・吉原コウイチさん 中学生・高校生とも上位はレベルが拮抗[きっこう]していた。その中で中学生1席は詩的な音楽が聞こえるようで、イメージを紙の上に表現できる技術があった。高校生1席にはこびない力強さがある。考え付かないアイデアで配色も個性的。連作の応募は多かったが、意図が明確で必然性がなければ、かえって作品の力が分散されてしまうので注意が必要だ。 デザインは生活の中で使われるもの。勉強の成果を見せるのではなく、自分の部屋に欲しくなるようなものを考えて。良いものをたくさん見て吸収し、その積み重ねから自分なりのデザインを作ってほしい。(談) |
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熊本日日新聞 2010年6月4日朝刊掲載 |
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