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2009熊日女性絵画展

審査員評

●対象物をよく見て 春口光義さん

 全体的にずば抜けた作品はないが好感の持てるものが多かった。グランプリは構成力が高く空間処理が非常にうまい。タコつぼやフジツボをよく観察しており、色も温か。県文化協会賞は脚の表現、色彩がきれいで魅力的な作品だ。

 奨励賞1席も心引かれた。魚群の奥行きや質量がうまく造形されている。上からの光の当たり具合もいい。

 面白さがあっても表現力が足りず落選した作品は多い。風景など写真を元に描いた絵もよくあるが、写真の模写に終わってはいけない。デッサンをし対象物をよく見ること。自然の秘密を見つけ自分のものにしてほしい。

●個性発揮した上位 宮本 明さん

 洋画は飛び抜けた作品はなかったが、上位はそれぞれに個性を発揮していた。グランプリは漁港の日だまりを思わせる情景で、人物を描いていないのに人のぬくもりが伝わる。県文化協会賞は脚をクローズアップした構成にインパクトがあり、第一印象で引かれた。

 日本画は全体的に充実していた。特に熊本放送賞は超現実的な表現で想像力が広がり、技術的にも高い。

 選外の作品で気になったのは、構成の工夫不足。何となく「見る」だけでは絵の表現には結び付かない。まずは対象をよく観察して「観[み]る」姿勢を心がけたらどうだろうか。

●作品に大きな進歩 姫野 豊さん

 絵画を描く前にテーマとしっかりかかわり合いを持った作品が増えた。グランプリもその好例。手前に現実のタコつぼ、背景に幻想的なタコつぼを描き自らの思いを強調している。よく観察して描画を素直に行っている。

 熊本放送賞は、日本画独特の絵の具の使い方がうまい。表現にマッチした手法で澄んだ色に仕上げた。3席は不開門[あかずのもん]の重厚さをうまく表現したが、額のアクリル板がない方が、画面に親しみやすい。

 若者の応募や「女性らしさ」をあえて感じさせない作品が増えたのは大きな進歩。本展の意義が深まっているように感じる。

2009年6月25日朝刊掲載



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