日本を含む世界各国で服用した妊婦から生まれた赤ちゃんに深刻な薬害をもたらしたサリドマイドは、手足などの発達に重要な役割を果たすタンパク質の働きを妨げ、胎児に障害を引き起こすという仕組みを解明したと、東京工業大や東北大などの研究チームが11日付米科学誌サイエンスに発表した。

実験に使ったサリドマイドの試薬
サリドマイドは近年、血液のがんの一種、多発性骨髄腫などの治療に使われており、今回の成果は将来、副作用のないサリドマイド開発につながる可能性もあるという。
研究チームは、ごく小さな粒子の表面にサリドマイドを取り付けて細胞を溶かした液に入れ、「セレブロン」と呼ばれるタンパク質が結合することを見つけた。
小さな魚を使った実験で、遺伝子操作によってセレブロンの働きを抑えると、胸びれなどに発達異常があった。
チームの山口雄輝東工大准教授は「これまで全く不明だったサリドマイドによる障害の仕組みが分かった。今後は多発性骨髄腫への効果など、好ましい作用の仕組み解明が課題になる」と話している。(共同)
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