国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園(合志市)の入所者や支援者らでつくる「園の将来を考える会」が養成した市民ボランティアガイドが二十九日、本格始動した。園内ガイドの人手確保と啓発を兼ね、同会が三月に養成講座を初めて企画。九十五人が受講し、五十七人が認定されている。
ボランティアガイドとして、菊池恵楓園を案内する佐竹さん=合志市
同日、福岡県から訪れた約二十人を案内したのは同市の自営業佐竹義斎さん(58)。同じくガイドに認定された菊池市の主婦稲田京子さん(51)も自主的な研修で同行した。
佐竹さんは元国立療養所職員。恵楓園でも十三年働き、亡父も同園でハンセン病の薬を研究していた。「働いている私自身、差別や偏見の対象になったこともある。恵楓園のことを多くの人に理解してもらえれば」と、応募の理由を語る。
親族に引き取りを断られる遺骨を目の当たりにしたこともあり、「死んでまで差別を受ける現実に胸が痛んだ。恵楓園の現状を知ってもらい、差別や偏見をなくすために役に立ちたい」と話す。
稲田さんは元小学校教師。人権問題を学ぶ中でハンセン病問題と出合った。先日、ガイドの手引書を読んだ時、園に納骨堂があるということに疑問を抱いた。死んでも故郷に帰れない人たちの無念さを思い、涙が止まらなかったという。
稲田さん自身、中学校時代は「怖い病気」だと受け止めていた。「直接足を運んで、直接感じてもらうことが何よりも大切」と感じている。「精いっぱい語り継ごうとしている入所者たちの姿に心を打たれ、少しでもお手伝いしたい」と話す。(浪床敬子)
二人は五月十六日に同市総合センター・ヴィーブルである熊日主催の地域交流事業「地域とともに こんにちは熊日ですin合志」の関連イベント「恵楓園見学ツアー」(市主催)でもガイドを務める。ツアーは参加無料で、先着三十人。市人権啓発教育課TEL096(242)1190。
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